インデックス投資で「全世界株式」のファンドに投資している人もいるのではないでしょうか。
全世界株式とは「アメリカを中心とした世界中の株式に投資できる」というものです。
全世界株式に投資することで、投資先を世界中に分散させることが可能になります。
しかし、コロナウイルスなどの影響により世界中の相場は大暴落してしまいました。
分散投資に対する肯定的な考え方が多く聞かれます。
私も分散投資に「リスクを減らす効果がある」のは間違いないと思いますが、分散しまくることで無限にリスクを減らせるわけではないと考えます。
分散投資の考え方
はじめに金融庁は分散投資の例として
資産を分散、地域を分散、時間を分散することを挙げています。
資産を分散というのは、株式への投資や債券への投資、不動産、金、プラチナなどに投資することです。
地域を分散するというのは、アジア、ヨーロッパ、アフリカなど、異なる地域に分散して投資をすることです。
時間を分散するというのは、
投資時期を集中させることなく、資産の購入タイミングを分けていくということです。
個別株に対するリスク
個別株には、個別リスクと市場リスクが大きく挙げられます。
自動車業界を例にすると、売れ行きによる業績変動や不祥事、欠陥車の発生などが日本全体でなく企業や業界固有のものが個別株リスクです。
市場リスクは政治の動き、気候変動、災害、金利の動きなど市場全体の動きを指します。
なので、個別リスクに対しては分散投資によって減らすことはできますが、市場リスクは分散投資でも減らせないといえるのではないでしょうか。
また、個別リスクは銘柄数を増やせば増やすほど減らすことはできますが市場リスクをゼロにするのは不可能です。
全世界株式ファンドは安全なのか
ここからは視点をさらに大きくしてみます。
日本の株式市場ではなく、世界全体の株式市場に投資している場合を考えてみましょう。
全世界株式ファンドでは、マイクロソフトが倒産しようと、ソニーが倒産しようと全体として見れば致命傷になりません。
理由は、何千・何万社の1社に過ぎず、結果として全世界株式ファンドは個別リスクが究極まで低減できているということではないでしょうか。
こぱん
つまり、全世界株式ファンドは個別リスクが究極まで低減できているということです^^
一方、市場全体に関わるリスクは、いくらその市場内で分散投資しても意味がありません。
例えば、世界経済に対する影響力があるトランプ大統領がTwitterで呟くと、世界中の株価が動きます。
この場合、A社~Z社のどれに投資しようが、トランプ大統領の影響からは逃れられません。
2020年2月~3月の暴落相場のように、世界の株式市場全体に影響を与える出来事が起きた場合も同じです。
つまり市場リスクが牙を剥けば、株式市場内での銘柄分散は無力となります。
なので、市場リスクだけは、必ず受け入れなければいけません。
インデックス投資をやるうえで大切なのは、暴落が避けられず、そのダメージを全部受けるということは・・・
裏を返せば、上昇相場ではそのリターンをすべて取れるということではないでしょうか。
分散投資でリスク低減できるというのは、具体的には個別リスクを減らせるということ。
分散すればするほど、無限にどこまでもリスクを減らせるわけではありません。
最後に
分散投資はリスクを減らせるので、意味はあります!
何もかも値下がりする暴落相場というのは、市場リスクが牙を剥いた状態です。
これがイヤだという人は、投資をやめるしかありません。
それは、市場リスクだけは「どんなに分散投資しても絶対に無くすことが出来ない」からです。
ただし、当然ながらリスクをとらない人に、リターンはありません。
リスクをとってリターンを得るか、リスクをとらずリターンを諦めるか。
これに尽きます。
投資が嫌いという人もいるかもしれませんが、皆さんの年金はこうした株や債券で運用されています。
銀行に預けているお金も、どこかの会社に投資されています。
現代社会において、間接的にでも投資に関わらず生きていくのは無理です。
そして投資をしないと、どんどん貧乏になってしまう世の中だと思います。
コメント