不平等な社会構造について
給料とコロナの因果関係
残酷なことにコロナウイルスの感染率は、低所得者の方が高いという結果が出ています。
例えば米国ニューヨーク市内における、感染率と年間所得は以下のとおりです。
感染率が高い地域→年間所得:190~380万円程度
感染率が低い地域→年間所得:1,300~1,600万円程度
原因としては仕事と環境が挙げられます。
低所得者の中には、以下のような仕事に従事している人が多いです。
介護職員
バスやタクシーの運転手
郵便局員
小売店員(スーパーやドラッグストアのレジなど)
これらの仕事は、いわゆる3密(密閉空間、密集場所、密接場面)になりがちです。
また、テレワークも難しいため感染リスクが高くなります。
さらに低所得者はギリギリの生活をしている人が多いため、感染が怖くても仕事を休めません。
たとえ仕事を休んでも、無収入となって困る、もしくは解雇されてしまうリスクもあります。
また、車を持っていないため、混んでいても公共交通機関で通勤するしか選択肢がないです。
次に環境です。
低所得者は過密な居住環境で生活しているケースが多いです。
密度が高いほど感染リスクは高くなります。
また、ネットカフェ難民やホームレスのような人達は家に居ることができません。
これに対して高所得者の場合は、どちらの要因に関しても感染リスクが抑えられます。
高所得者の人は仕事の多くがホワイトカラーのため在宅勤務ができ、人を避けて快適な別荘地に避難している人も少なくない環境にある。
これらの点から、低所得者ほど感染率が高いことはニューヨーク市特有の状況とは思えませんね。
正確なデータは出ていませんが、日本でも同じ状況になっていたとしても決しておかしくはないのです。
給料と感染時の病状について
低所得者はコロナウイルスに感染しやすいだけでなく、感染した後のリスクも大きいのです。
例としてはアメリカ全体では約2.6%に対し、デトロイト市では約3.8%の致死率となっています。
デトロイト市は低所得者層の割合が高い地域で、アメリカ全体より致死率が高いです。
原因としては次のものが考えられます。
基礎疾患を持っている人が多いことと医療保険に加入していない人が多いことです。
基礎疾患を持っている人が多いこと
コロナウイルス感染症は、基礎疾患を持っている人ほど重症化しやすく、死亡リスクも高いです。
そして、低所得者には以下のような特徴があります。
病院にかかる余裕がないこと。高カロリーの食べ物を摂りがちなこと。安価なジャンクフードを食べがちなことです。
そのため肥満になりやすく、高血圧やぜんそく、糖尿病などの基礎疾患を抱える人は多いです。
医療保険に加入していない人が多い
海外の場合、低所得者の多くが医療保険に加入していないというのが現状です。
アメリカでは4000万人の人が医療保険未加入となっています。
医療保険未加入の人が病院に行けば、支払う医療費の自己負担は10割です。
所得が低くお金が無いのに、感染の初期に10割負担で病院に行くことはどう考えても難しいですよね。
そのため、重症化する人が多くなるということは頷けます。
これだけ医療の発達した世界で、医療にアクセスすることができず十分なケアも受けられない。
その結果として、病気の重症化や死亡するということは本当に悲しい現実ですね。
誰もが高品質な医療を受けられる、日本の国民皆保険(かいほけん)制度は決して「当たり前の制度」ではないのです。
最後に
コロナウイルス感染症の拡大は、経済的な格差の残酷な現実を浮き彫りにしています。
低所得者はコロナにかかりやすい、重症化しやすい状況が続いても良いとは考えていません。
それでも現実の問題として、自分や大切な人を守るために「稼ぐ力」が重要なことは間違いありません。
今まさに、残酷な現実を突きつけられて大変な思いをしている人もいます。
あらゆる制度や力を総動員して、コロナウイルスとの戦いを乗り切って下さい。
失業率が上がると自殺率が上がるという、悲しい因果関係が明らかになっています。
たとえ現時点で、稼ぐ力を失っても、この困難さえ乗り越えれば、チャンスは巡ってきます。
今より一歩豊かな未来のために、行動していきましょう。
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